八ヶ岳でハーブを育てる良さは、何と言っても、夏でも冷涼な気温と澄んだ空気です。
夏になると、避暑のために多くの方が、八ヶ岳近郊の別荘やリゾートホテルに来られますが、気持ちがいいのは人間だけではありません。ハーブにとっても、気持ちが良い環境なのです。
ラベンダーの中でも香りが高く人気のある「真性ラヴェンダー」は、暑さに弱いため、栽培できる地域が限られますが、八ヶ岳では栽培が可能です。
多くのハーブにとって苦手ムシムシした湿気ですが、環境ですが、八ヶ岳は海に面しておらず、内陸のため、年間を通して湿度が低く、ハーブに適しています。
また、日本1〜2位を競う、日照時間の長さも見逃せません。加えて、標高が高いため、お天気の良い日には眩しいほどの光が降り注ぎ、夜になると人工物が少ないため、グッと一気冷え込む、寒暖差の激しさもエッジのたった風味や、鮮やかな色を生み出す要素となっています。
しかしその反面、冬の寒さはマイナス10度を下回ることもあり、非常に過酷な冬越しが待っています。
この厳しい条件を超えて、生き残ったハーブの強い生命力こそが、一心一草のハーブを飲んだお客様に支持されている「力強さ」の由縁であると考えています。
一心一草のハーブ農園では、農薬を使いません。なぜならば、できる限り自然な状態で皆様のところにお届けしたいから。
もともとハーブは害虫の被害にあいづらい種類が多く、八ヶ岳一帯が冷涼で湿気が少ないため、比較的農薬を必要とはしません。
しかしそれでも、虫がついて、葉を食べて、木を丸裸にしてしまうときもありますし、病気になって枯れてしまうときもあります。
しかし、それは、自然のことわりの中で、自然な出来事だと思っています。
ハーブにはできる限り、自然な状態で育ってほしいので、無理に農薬を使って対処するのではなく、害虫は手でつまんで取ったり、病気になった株を諦めたりすることで、やんわりとした対応をしています。
一心一草の畑では、「足るを知る」の精神を大切にしています。
世界には魅力的な農法が沢山ありますが、あれもこれもと農法のブランドに躍起になったり、我こそは正しいと主張をしだすと、競争社会と同じループにはまってしまうこともあります。
一心一草の自家農園では、畑の置かれた状況や環境に対して物理的な無理をしなくとも、ハーブの様子をよく観察することで、必要な時に必要な手助けをしたり、足りないものを補ったりできると考えています。
環境負荷も考え、できるだけ、「持ち出さない、持ち込まない」循環型の農法を目指しています。資材はできるだけ自家農園にあるもの、または、近くのあるものを使いたいと考えています。例えば、夏の乾燥対策は畑に生えた雑草を刈ってマルチングの代わりにしたり、越冬に使う藁は、同じ八ヶ岳で有機農家を営む、農家さんから分けていただいたりしています。